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センスを磨く

 テニスで自分のイメージどおりのボールを打つためには、ボールの角度(ワイド、ダウンザライン)、高さ、長さ、速度、回転をコントロールをすることが目的となり、目的達成のためには、知識と感覚(空間認識、識別、タイミング、リズム、バランスなど)を適切に使いこなす必要があります。


 テニスの上達には、この可視化されない感性を磨き、育てるために、絶対無二の一球を心身をあげて一打すること(目的達成のイメージと実際が合致するよう、最適な機能発揮により感覚を調整して、結果の精度を高める不断の訓練)が重要です。


 また、目的を達成するための課題に気づいて、自らに出題し、知識と感性を総動員して課題解決に取り組む習慣も成長には欠かせません。


 このため、指導者には、目に見えるフォーム(結果)の経過分析による画一的な指導ではなく、個人の知識や機能に着目する機能分析に基づく個性に応じた最適な指導が求められ、成長に必要な知識を説いて、感性を導き出す指導には、自身の感性を磨く不断の学びが必要となります。


 先日、ある競技のジュニアナショナル代表選手を輩出しているクラブの練習を見学させていただいた際、何度も繰り返し同じところで失敗している選手が、諦めずに黙々と指導者のアドバイスを受けずに、繰り返し、繰り返しチャレンジして、成功に辿り着く場面を目の当たりにしました。試技の回数が増え、体力的には厳しい状況になりながら課題をクリアする選手、ずっと見守り続けるコーチの姿に触れ、プレーヤーが自らのセンスを磨き、育てるためには、指導者が失敗にとことん付き合う覚悟も必要であることに気づかされました。


 プレーヤーと指導者が相互に感性(センス)を磨きあい、共通の目標に向かって研鑽する時間を共有できるホームコートは、未来のテニス、将来を担う子どもたちの成長につながるとても魅力的な場所です。

 
 
 

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